エヴァの匂い
ジョゼフ・ロージー
エヴァの匂い(EVA ) 112分
1962
ある番組で押井守がテレビアニメと(アニメ)映画の違いについて、映画では同質の時間ではなく異なる時間が流れているといったようなことを話していたが、そういう意味で言うとこの映画はそもそも時間が流れていない、止まっている。時間が流れていることに安心感を与えるような「質量」のようなものがない、「無酸素の時間」が流れていると言ってもいいか。「召使」1963も然り。
ロージーの作品の持つ居心地の悪さとは、水の中で息を止めて(物語)を擬似体験させられる苦しさのようなものだ。なので、ジャンヌ・モローは若くなくていい。
同じ理由で、アキム兄弟でなくてもフィルムを短くカットしたくなるのは当然だが、それでもやっぱり180分のEVA をみてみたかった。