その手の期待はことごとく

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サドを読み出したのは三島からいろいろ巡ってのことだったと思うけれどよく覚えていない。当然訳者の澁澤も読む羽目に?なる。
夢野あたりも同時期につまみ食いしたのだろうか。滅茶苦茶な成り行きだ。

金に困ってか、多くのサドが牢獄ではなく古本屋行きになったが本棚にどうしたものか申し訳程度に残っている。
澁澤は何故か無傷だ。あとは評論系があるばかり。
寺山も売られた口だ。

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『ジェローム神父』
マルキ・ド・サド
澁澤龍彦=訳、会田誠=絵 
平凡社
妻とともに会田誠ファンなので、ずっとこの本が気になっていて、遂に、と言っていいかわからないが買ってしまった。
何処かで息づいているのだろうか。

サドの物語は、読めばわかるがエロティック小説ではない。その手の期待はことごとく裏切られる。澁澤の訳もそれゆえの訳文だと思う。
悪徳の栄え』は棺桶に入る前に再読、そうすれば魂はあの世に行かないだろう。魂があればの話だが。

 

蛇足だが、パゾリーニの映画「ソドムの市」(1975)の原作はもちろんサドの『ソドム百二十日あるいは淫蕩学校』だ。