2008-02-01から1ヶ月間の記事一覧

家に帰つて行くと、

家に帰つて行くと、ノラは私を何日振りかに見て、ニヤアニヤアと幾声も続けて鳴いた。 元気でふとつてゐて何も心配する事はなかつた。段段に大きくなり、おとなになつた。家の中に ゐればのそろのそりしてゐるけれど、庭に出るとあつちこつちを非常な速さで…

ことりのけんか

たいくつだからけんかをしよう ゆきのふるにちようのおひるまえ うすびのあたりだしたべっどのうえで おもいっきり ぷんぷんになって ぱんち きっく かぶりつき でもつめをたてるのはるぅるいはんだよ きょうのは「ことりのけんか」なんだから さあそれでは …

振り出しのウサギ

アリスは、お姉さんと並んで土手にすわっていましたが、なにもすること がないので、たいくつしてきました。お姉さんの読んでいる本をちらっとの ぞいてみたのですが、その本にはさし絵もないし、会話のやりとりもありま せん。アリスは思いました。「絵がな…

第十二章

かれに知らせてはならぬ 彼女がいちばん好きだったのはかれらだと なぜってこれは永久にほかのだれにもないしょの きみとぼくだけの秘密なのだ 『不思議の国のアリス』ルイス・キャロル 高橋康也・迪=訳(河出文庫)より

ちいさな眠り

沖方行き 辺を行き 今や妹がため わが漁れる藻臥束鮒 『万葉集』巻第四-六二五(旺文社文庫)より

鏡の山の峰に澄み、

(中略)さていうことには、 「水の神のみことのりじゃ。老僧かねて放生の功徳を積み、今江に入って魚のあそびをねがう。かりに金鯉の服をさずけて魚の国のたのしみをさせようぞ。ただ餌のにおいに迷って、釣の糸にかかり、あったら身をほろぼすなよ。」 そ…