78・01

なるほど、科学は、或るはっきりした要求を満足させるような言表を発見するし、更にもし可能なら、その結果を予測することもできるような、実際的な、実験的な装置に移しかえることができるはずなのである。これらの結果は、一方では一つないしいくつかの変数(variables)の変化であり、他方では、その変化は、あらかじめその結果が観察しやすく、記述しやすいように限定されているのである。《科学的探究》は、このように了解されるならば、真理の探究なのではなく、効率の、ないしはコントロールされ、予測に基づいた操作の探究なのである。


「頽廃と少数派の闘争」ジャン=フランソワ・リオタール
(『エピステーメー 反=哲学』朝日出版社)より