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音がでる
花がさく
四角な箱さ

透明なドア
無数のへや

見知らぬ国も
大きな歴史も
すっぽり入る
小さな箱さ

言語の織りなす虹を
キレイに爪を切ったきみの指が
滑り降りる

顔のないきみと
影のないぼくが
金属の路地を早足で歩く
あかるい街さ

ガラスの裏側から生まれる
あたらしい部屋
消えていく螺旋階段を駆け降りる
ぼくららら

だからぼくらと
らららぼくらと
手のひらの箱で遊ぼうか
もおいいかい
まあだだよ

夕方になっても見つからないぼくは
明日になれば
あたらしいぼくに上書きされて
虹とともに消えていく

そのとき
音がでる
花がさく
四角な箱さ