問い、眠り、乾杯
ネタバレ注意不要?
池袋の文芸坐でみたのが最初か?銀座?有楽町?早稲田?五反田?名画座でかかっているのを見つけてはみたタルコフスキー
惑星ソラリス
アンドレイ・タルコフスキー
1972.ソ連
1998.DVD
「死なせてしまった妻」が目の前にいる、
その「彼-女」に愛していると言うのは簡単なことだ。そしてそれは絶対に不可能だった言葉であり、問いの変奏だ。
祖国、母、妻、女、果実、記憶、死、幼年、馬、犬、葉、父、知、大地、夢、鳥、光、風、空、雲、驟雨、
鏡、無限の奥行きを持つ表層
その、現実に似せた形態、水
複製、言うまでもなくわたしたちも問いの複製である
タルコフスキーの個人的体験が根元の問いに奇跡的につながっている
様々な符号の羅列ではなく、まさしく映画が目の前にある、わたしがそれに否応なく魅了される、という意味で
その数式が異なるだけで彼の作品はいつもいたって単純だ
問い、だからだ、答えではなく
根元の問いとは言うまでもなくいつもはじめの問いであり最後の問いである
そして、それは揺籠でもあり、眠りを誘うのは当たり前だろう
問いとは大きな嬰児なのだ
だからエンディングの光景は驚くに当たらない
絶望でも希望でも救いでもない
永遠の乾杯なのかもしれない