works

CDを買うのはいつ以来だろう。HMVでの履歴だと3年ぶりということになる。たぶんそうだろう。もしかするとオークションで何点か買っているかもしれないが。

今回は下記のCDを購入。
マイケルは亡くなったからというよりはあってもいいかな?というかんじでベスト盤を選ぶ。
モーツァルトリンツ」他は、鈴木秀美率いる楽団の音に興味があったのと、ハイドンをききたかったから。古楽的な「ピリオド奏法」をかならずしも良しとはしないので、そちらの興味はまったくない。
モーツァルトの変奏曲全集&小品集はピアノの曲が好きだからという単純な理由によるチョイス。
結局、これらは最後のCDのついで的な購入で、もちろん自分なりに厳選してでの選択ではあるけれど、ハスキルのピアノワークスのおまけみたいなもの。

いったいなにゆえに彼女のworksがたった1000円で売られなければならないのかという嘆きとともにききながら、しかしリマスターされた音をきいているとそんなことすら忘れてしまい、そのため息は無色透明の吐息へと変わってしまう。大体は慈しみにみちた表情のポートレートが使われる彼女のLPやCDのジャケットだが、今回は鬼気に迫る厳しい表情をみせたポートレートが使われていて、その顔が10枚あるものだからいささか面食らうけれど、彼女の音をきいていると優しい慈しみのみからはこの音はでてこないな、と納得がいく。一音一音の彫琢された輪郭はこの厳しさなくしてはありえなかったのだろう。つねに病に耐えつつそれに打ち克つ精神力と音楽へのゆたかな愛が殊にライブでの名演奏を生んだのだろう。
フリッチャイとの共演が他の指揮者との共演より好ましくきこえるのはわたしだけだろうか。ともあれ書籍にしろCDにしろ映画にしろworksを感じることの少ない昨今、ひさしぶりに緊張と愉楽をもたらす体験だ。学生時代にこづかいをはたいて買ったLPでの彼女のモーツァルトワークス10枚組とともに、わたしのお気に入りとなるにちがいない。




Ben: Best Of Michael Jackson
http://www.hmv.co.jp/product/detail.asp?sku=1083726

モーツァルト交響曲第36番『リンツ』、協奏交響曲ハイドン交響曲第63番、他 鈴木秀美&オーケストラ・リベラ・クラシカ(2CD)
http://www.hmv.co.jp/product/detail.asp?sku=1218270

変奏曲全集&小品集 クリーン(3CD)
http://www.hmv.co.jp/product/detail.asp?sku=1388247

クララ・ハスキル ポートレート(協奏曲集、ソナタ集)(10CD)
http://www.hmv.co.jp/product/detail.asp?sku=3770289