「3安」幻想からの目覚め00

ひとはどうしたものか幻想を好む。
よく自然エネルギーのコストはまだまた高く、原子力発電のコストはそれに比べれば安価だと言われ、それに加えて化石燃料のように相場の急騰に左右されないこと、原子力にある程度依存することは輸入燃料の依存度を高くしないという危機管理上のメリットなどから、「やはり原子力発電は今後も必要だ」という原子力推進派の論拠にもなっているわけだが、「原子力は安い」ということに関して言えば、そいつはかなり怪しいんじゃないかと気づきはじめている人もいると思う。
推進派は何かと数字を挙げて自らの正当性を証明してみせるが、そこには近い将来必ず訪れる廃炉に関わる膨大なコストも含まれていないし、今回の災害のようなリクスもコストとして計上してはいない。
もしもそうしたコストを新たに加算し、更に厳しくなる安全基準によるコスト高も追加するなら、原子力はどんどんと高い発電方法になるのだが、それにもかかわらず、未だに自然エネルギーとの対比では「安い電力」と書かれることが多い。