「3安」幻想からの目覚め01

原子力発電は使用済み燃料をリサイクルできる唯一の発電方法だと、あたかも原子力発電もまたエコな発電だと言わんばかりに推進派は胸を張るが、肝心のリサイクル施設である核燃料の再処理施設の稼働およびプルサーマル計画は今もってメドが立っていないし、仮に稼働したとして、そのリサイクルはかなりコストの高いものになるし、
プルサーマルは従来の原子力発電より危険性が高いと言われていることなどを考えると、原子力発電はどうみても、当面は必要でもやがては選択肢ではなくなる命運にあると言うのが妥当だろう。

そもそもサッチャー政権時の電力会社民営化の動きに対して「市場」や民間の投資家は原子力の経済的リクスを選ばなかったという事実からしても、原子力は二十年以上も昔から「高い買い物」だったのだ。
今はさらに高い買い物であることを否定する者はごく一部の人たちを除けば皆無だろう。

結論を先に言えば、「安」全で「安」い電力を「安」定して供給できるというような都合のいい話はただの幻想にすぎないのだ。3つの「安」が揃ううまい話は初めからどこにもなかったのだ。