ふたりのアリス

ジャック・リヴェットの「セリーヌとジュリーは舟で行く」をみる。192分は長いがリヴェットの長編としては普通か。それでも100分ほどで休憩。
別に途中までしかみないからと言って感想を述べることを禁じることはないだろう。なぜなら、死んでさえも人の人生はいつまでも途中であって、映画のFIN もまた単なる途中でしかないのだろうから。
「次の日の朝」はくりかえしくりかえされる。
さて、扉は開いたばかりだ。重たくて冷えた空気と軽くて熱い空気が扉の隙間を行き来するように現実と非現実が交換されセリーヌとジュリーは交換されるだろう。魔法の国のふたりのアリスと言ったところか。
黒髪のビュル・オジエと金髪のビュル・オジエをくりかえしてみれるだけで価値があると、それだけは間違っていないはずだ。
1974年の映画と言えば、ラ・パロマ、エマニエル夫人、自由の幻想、ロンゲスト・ヤード、こわれゆく女、都会のアリス砂の器日本沈没、そしてゴダールがジガ・ヴェルトフ集団解散後アンヌ=マリー・ミエヴィルとの共同作業に移る頃か?