いったい何処へおもむこうとしているのか、わからぬままに魅了し、またみずからも途方にくれながら流れゆき、ときに座礁し暗雲を見つめ、ときに見知らぬ港に停留し不味い酒と年増の女を抱き、そうして半ば舵の壊れた航跡の果てに行方知れずの船となり、それ…
愛情Ⅰ 愛情のめかたは 二百グラム。 僕の胸のなかを 茶匙でかき廻しても かまわない。 どう?からつぽだらう。 愛情をさがすのには 熟練がいるのだ。 錠前を、そつと あけるやうな。 愛情をつかまへるには 辛抱が要る。 狐のわなを しかけるやうな。 つまり…
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