この世にいる

生前好きだった本だとかレコードだとか棺桶に入れてはいけないそんなものを手にする資格はないそもそも天国にも地獄にも行けない死んでなおこの世に残るしかなく泣き叫んでも誰にも見えず誰にも聞こえない声も涙も奪われているのだから当然かというと当然の報いですらなく魂もなく肉体もないのにあり続けるそのとき好きな本や音楽があったらほんの僅かでも救われるかもしれないだからそれらを奪っておかなければいけないけれど心配しなくてもいい誰もそんなことをしないだろう