言葉の力

 

東京書籍
新しい国語 六

言葉の力

 

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その中で言葉の様式(かたち、フォルム)の持つ力に言及していないのが気にはなるけれど、「季節の足音」のようなページもある。
言葉の力を盛る「器」のようなフォルムもまた力のひとつだと思う。それが非実用的な虚学であるとしても、その遊びがなくては人から人に伝える力はコピペのようになってしまい、正確無比なそこからは新しい何かは生まれないだろう。
裏返せば、「正しく伝えられれば言葉の力はその役目を終える」と言うだけでは、言葉の力の最良の部分を十分に掬い取っていないようにも思える。

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犀星の詩が旧仮名で書かれているのは当然だけれど、「やはらかく」とあるその「かたち」に盛られているものを探りあてる手つきは、実はとても大切なコミニュケーション能力の発芽のように思う。
そういうコミニュケーションがあれば分断や誹謗中傷、差別的言動もこんなに蔓延らないような気がする。見えないウイルスはコロナウイルスだけではないということか?
「りりくくりよりより」のあり様にはため息しか出ない。漢字とひらがなの使い方もいい。犀星やっぱり好きだなぁ^_^

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谷川の詩がふたつあるのは好きな詩人だからうれしいが、もっとたくさん、もっといろいろの詩があるのだから、それを載せてほしかった。

立松の物語は、一行一行に込められたくどさが彼らしい。個人的には食傷気味だけれど、こういう文章と対面するのもいい経験になるにちがいない。

つまみ食いにはつまみ食いの愉しみがある。